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甍賞
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■第1回(1981年) [講評]
●歴代審査員の紹介

1999年 第10回 瓦屋根設計コンクール

審査員講評



村松 映一
むらまつ えいいち
日本建築学会
竹中工務店常務
  第10回甍賞受賞作品の審査は11名の審査員が169点の応募作品を投票により、1次審査で53点、2次審査で26点に絞り、3次審査の合議を経て、16作品をそれぞれの受賞作品とLた。応募作品の領域は多岐な分野にわたるが福祉並びに教育関連の施設が比較的多かった事が今回の特徴である。
  金賞 東山邸は瓦の軽量化という課題に真摯に取り組み、住宅のスケール感に相応しい素朴で軽快な表情を瓦屋根で表現したことである。「平瓦の両端を立ち上げ、出来るだけ平板に近づける」、「重ね代を近づけ、素丸瓦の径を小さくする」など棟瓦、面戸瓦等に至るまで全て特注瓦とすることにより、在来の瓦では表現できない軽快さを醸し出している。軒先の一文字瓦を軒丸瓦、広小舞の納まり、ペアガラスを平瓦と同じように納めたトップライトにも新しい表現の可能性を追求する姿勢を窺い知る事ができる。金賞 大多喜町立大多喜小学校は平家建の教室群を取り囲む2階建の教室棟、特別教室棟からなる分散型のオープンクラスター方式による平面構成となっている。分節化された棟は四角錘の方丈屋根と切妻屋根の群造形として背景の自然を取り込みながら大多喜城と連なり、城下町としての原風景を再現し、記憶の場としての象徴性を謳い上げている。銀賞 竹風堂松代店・池田満寿夫美術館は店舗、美術的入口ロビー、展示室、ラウンジ、収蔵庫の各機能を瓦屋根を主体とした群造形として周辺の家並み、山並みと相俟って、松代城の大御門跡に相応しい原風景を作り出している。銅賞 風切り瓦の乗った家は構造材の構成美を石州赤瓦の切妻屋根で表現され、この地の集落風景を偲ばせる作品へと昇華されている。特別賞(新)ねむの木学園はねむの木カラーと名づけた4色のスパニッシュ瓦と8棟の屋根が織りなす風景に想いを託した作品である。景観賞 大乗院庭園文化館は伝統的な表現と素材を駆使し、デイテールの確かさと相俟って奈良の歴史的景観に相応しい作品に昇華されている。


村尾 成文
むらお なりふみ
日本建築家協会
日本設計取締役副会長
  170点近い応募作品は力作ぞろいで最終的に16点の入賞作品を選び出すのは大変なことでした。審査する立場の辛さと力作に触れる喜こびを同時に感じた審査でした。最終審査では伝統を継承した瓦屋根の素晴しさだけではなく、新しい瓦の使い方を追求したものや建築全体の評価を加えた総合評価をすることになりました。多くの作品の中で東山邸と大多喜町立大多喜小学校はこうした観点から高い評価がされて金賞になりました。東山邸は現代的な瓦屋根の表現を求めて瓦そのものの設計からはじめて新しい可能性を開こうとしたものです。建築としての出来ばえだけでなくディテールの納まりもきれいで設計者の挑戦は美事な成功を示しています。大多喜小学校は歴史的伝統や文化に富むこの町で城の近くにあるこの小学校が伝統や文化を伝承する拠点でありたいという考えで設計されています。瓦を使った木造屋根の造型だけでなく教室配置をはじめとした建築全体としても優れたものになっています。校舎のどこからでも城が望め、昔ながらの原風景の体験を通して歴史と文化を継承してゆけるというのは感動的ですらあります。
  銀賞の竹風堂松代店・池田満寿夫美術館はかつての城下町に相応しい美しい建築です。この町の歴史的環境をいっそう引き立てるに違いありません。放物線を描くニッケル合金葺きの屋根が瓦屋根に美事に調和しているのにも感心しました。銅賞の風切り瓦の乗った家は多雪で凍害のある石見地方の風土にあった石州瓦を奇をてらうことなく使い切っていることが好感を呼びました。特別賞の(新)ねむの木学園は変化に富んだ形態の赤褐色の三州産洋風瓦屋根の連続が美しく、ここで生活する重度障害をもった人達の幸を祈る気持が伝わってきます。景観賞の大乗院庭園文化館は古都奈良の中心にあって歴史的景観を重んじてゆくことが求められたもので、伝統的ないぶし瓦の使い方の適確さは設計者の円熟した境地を実感させてくれます。なお、佳作の10点は各々に魅力ある力作であり、上記の諸作品との差は紙一重であったことを最后につけ加えたいと思います。


三井所 清典
みいしょ きよのり
日本建築士会連合会
アルセッド建築研究所所長
  大会議室一杯に並べられた応募作品をみてその数の多さに驚き、写真のそれぞれの美しい佇まいに感心した。やはり身に泌み込んだ感覚であろう。甍の屋根に安堵感を覚えるのは日本人の文化的心情にほかならない。
  そういう作品の中で、屋根や瓦の扱いが特に優れていると思われるもので、建築としても優れていることを条件に優秀作品を選んだ。中で瓦を葺くには屋根の形がむづかしく、やや無理をしていると思われるものは避けた。また施設の機能上問題があると思われるものは、甍賞といえども優れた建築として選ぶことに躊躇らいを感じた。一方技術開発、デザイン開発という将来につながる行為として貴重と思えるものは尊重した。
  金賞の東山邸は落ち着きと軽快さが同居する不思議な感覚をもったが、詳細図を見て、それが新しく開発された瓦とディテールのためで、葺き上った屋根の見栄えも設計者の狙い通りであることが判明し、納得した。想えば長年伝統の良さに安住してきたものでそろそろこういう瓦が出現してもいい時代である。設計者の瓦への取り組みとその成果は絶賛に価する。
  大多喜小学校は児童の学び舎の屋根が、子供達が興味と夢をもつ形として、グランド側に親しみ深く低層棟を創り、その背後の2階建との組合せも巧みで、自然に甍の屋根と向う生活の演出が優れている。
  竹風堂松代店・池田満寿夫美術館は、地域への調和と瓦でない展示棟の屋根の組合せで前面の甍の屋根の美しさを引きだしている。
  風切り瓦の乗った家は山陰の寒風の中に凛として生活を守る姿がイメージされ、石川瓦の渋味と温かさがよく表現されている。
  (新)ねむの木学園は優しく心をなごませる上品な楽しさを感じて心地いい。
大乗院庭園文化館は以前からあったような風景を創り出し、大屋根の螻羽や土塀の軒の扱いに設計者独得の数奇の工夫がうかがえる。


向井 征二
むかい せいじ
日本建築士事務所協会連合会
向井征二建築事務所
  大会議室に並べられた169点の作品を一点一点見てまわって、日本瓦の美しさ、力強さを改めて感じました。応募作品の2割程度が住宅展示場風の戸建て住宅でしたが、甍という点では工夫と迫力にやや欠けていたように思います。庁舎など規模の大きなものもかなり出品されていましたが、なかには瓦使用に無理が感じられるものもありました。
  そのなかで好印象をもった作品としては大多喜小学校が挙げられます。特別教室をうまく別棟として配置し、運動場から見る方形づくりの瓦屋根が子供達の目線にあることにより、RC造りとは思えないやわらかさと、ぬくもりが感じられる作品です。(新)ねむの木学園もこれと全く同じ意図が感じられました。周囲の緑と瓦の色との対比により明るい環境をつくり出しています。また大乗院庭園文化館も印象に残る作品です。奈良の地元では手本となる建物がたくさんあると思いますが、伝統技術を生かし(本瓦葺き、むくり屋根など)、立地条件を生かして町並み景観美を見事につくり出しています。
  審査にあたり私なりの観点は、日本の伝統的な仕上げ材として瓦を使い、環境と調和した風景づくりに成功したもの、瓦を適材適所に使うことにより一層際立たせたもの、瓦により全体のバランスをうまくまとめたもの、ということでしたが、これらの作品はまさにそれに該当するものと言えます。
  今回の審査を通じて、阪神大震災でイメージダウンした日本瓦の「復権」が強く感じられ、良かったとおもいます。


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