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●歴代審査員の紹介

2011年 第15回 瓦屋根設計コンクール・第1回 学生アイディアコンペティション

審査員講評



森 暢郎
もり のぶお
日本建築学会 副会長
株式会社山下設計取締役会長
  今年、甍賞設計コンクールは15回目を迎えました。応募作品は力作揃いで、いずれの作品にも日本瓦への愛おしい思いが込められていると感じました。審査で私は、瓦建築のデザイン、構工法、ディテール、景観や環境への配慮などを評価点に考え、論理と直感の2つの物差しで判断しました。
  金賞には住宅部門と一般部門があり、住宅部門の受賞は種子島の風土に配慮した「ガジュマルハウス」です。屋根庇とテラスを長方形の形態にガラリ戸ですっぽりと包み込んだモダンな構成で、これにシンプルな瓦葺き切妻屋根が調和した魅力的なエコ住宅です。一般部門の「慈眼山成願寺」は、瓦葺き寺院のデザインに現代的な解釈を加えた独創的な作品で、瓦屋根形状と鉄骨小屋組み、四周の壁をガラスで囲った構成、各部のディテールに特徴があります。銀賞の「清荒神清澄寺史料館」は、樹海を背景に伝統形式の瓦屋根が浮かぶデザインで、その屋根とガラススクリーンによる見事な構成になっています。銅賞の「永元寺蕪坐離庵」は、平屋の瓦葺き片流れ屋根と陸屋根建屋の巧みな構成、繊細なディテールが光る建築です。
  今回新設された甍賞学生アイディアコンペの応募作品は、街路や河川の修景デザインの案、使用部位を考えた案、構工法の案など多彩でした。審査で感じたことは、応募した学生が瓦のことを本当に良く勉強していたことです。さぞかし粘土瓦の魅力を発見する機会になったことでしょう。金賞の「屋根の城」は瓦産業の隆盛を暗示するような提案で、スケールの大きい分かりやすい表現でした。銀賞は素材特性を分析して瓦の可能性を深く考えた作品で、銅賞は2点ともストーリー性豊かな表現で瓦の利用範囲を拡げる提案でした。
  甍賞審査を通して、改めて瓦葺き家屋は日本の原風景・文化であって自然の恵みを活かす環境建築の原点だということを思い起こしました。そして東日本大震災で罹災した各地の集落に思いを馳せ、瓦葺き建築の復興と共に甍の家並みが良く似合う風景が蘇ることを切に願っています。


栗生 明
くりゅう あきら
日本建築家協会
栗生総合計画事務所主宰
千葉大学大学院教授
  「瓦の風景」というと私は、1961年にベネチア国際記録映画祭で銀獅子賞を受賞した「西陣」の詩情あふれる瓦屋根の映像を思い浮かべます。延々と連なる瓦屋根の下で額に汗して働く多くの職工たちの哀歓が、整然とは言いがたい(ところどころ破損している)瓦屋根の表情に読み取ることができました。たぶん現在、均質なソーラーパネルが載せられた屋根下の「生活」を、我々は共感を持って想像することはできないと思います。瓦に対して我々が感じるある種の懐かしさや愛着は、自然素材が共通して持っている「人間との親和性」からくるものだと言うことができるからです。こうした意味で、「カジュマルハウスー種子島の家―」は亜熱帯の気候風土の中、ガジュマルの大木と「共生する生活」が、シンプルな瓦屋根を含む自然素材にくるまれて営まれていることがダイレクトに伝わってくる傑作だと思います。
  一般部門受賞は偶然ですがどれも寺院建築でした。寺院建築の要諦は屋根にあるといっても過言ではありません。仏の深い慈愛の空間を覆う瓦屋根の造形において「慈眼寺・成願寺」の三つのたおやかなむくりの表現は群を抜いて美しいものでした。学生部門の「屋根の城」は瓦屋根の魅力をストレートな「物語」として表現したものでした。天壇を思わせる5段の円錐屋根の大胆な揺らぎは、江戸城天守閣をモチーフにしたシンボルとして秀逸でインパクトのある作品でした。「カワラ コンポジション」は我々が想起する瓦の風景からの逸脱がテーマとなっています。この作品は瓦そのものの「物性」を徹底的に検証することで成り立っています。熱容量・輻射熱・吸水率・反射率・消臭効果・質感・光沢など様々な差異を、モンドリアンの作品を参照して地表面に再構成したものです。「都市とは多様で偶発的な出来事のコンポジションなのだ」というメッセージを伝える知的な表現でした。この二つの作品は瓦という素材から表象される両極端の表現とも言えるものとして注目されました。


内田 文雄
うちだ ふみお
日本建築士会連合会
株式会社龍環境計画主宰
山口大教授
  厳選した土を窯の中の火の世界を通すと、銀鼠色や赤褐色の深い光を放つ瓦へ姿を変えます。瓦は屋根に葺かれて、雨をしのぎ、光を受け、水を呼吸し、独特の質感でしっとりとした風景をつくって来ました。しかし、現代建築の中では、瓦は、和風で伝統的な素材としてのイメージが強く,次第に都市空間か遠ざけられています。屋根に瓦を葺くことは、日本の気候、風土を素直に捉え、環境との応答の中で建築を考えようとする動きにつながります。想像もできなかった震災を前にして、建築と環境とのつながりを含め、建築のつくり方を根本から問い直すことが求められているように思います。
  今回応募された作品は、一般部門ではお寺等の宗教建築が多かったことが特徴です。一般部門で金賞を受賞した慈眼山成願寺は、本堂、護摩堂、客殿の分棟した建物をHPシェルの瓦屋根が巧みに結びつけています。薄く納めた軒先が瓦の曲線の美しさを際立たせています。
  住宅部門の金賞は、種子島に建つガジュマルハウスです。切り妻のシンプルな瓦屋根が大きな陰をつくっています。建具を開放するとガジュマルの木陰のような空間で、自然とともに暮らすことのできるシンプルで美しい住宅です。
  今回から学生提案部門が創設されました。主催者側の応募数への心配をよそに、多くの提案が集まりました。瓦という身近でない素材が学生の若い感性にどのように映っているのか大変興味がありました。金賞を受賞した屋根の城は、皇居に江戸城と同じ高さの瓦葺きの5層の屋根の新しいお城を造るという提案です。誰でも屋根に登ることができ、瓦の質感や魅力を感じるためのみんなの城の提案です。銀賞は、モンドリアンのブロードウェイ・ブギウギをベースに、瓦の質、色、深さ(厚さ),を変えて状況により様々な図形を浮かび上がらせるという知的な提案です。全体として瓦という素材について学び、その特性を生かす柔軟な提案が多く出され、将来への可能性を感じることが出来ました。


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