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瓦の種類について瓦にはご存じのように、多彩な種類があります。焼成方法による違い。形・色彩の多様化、使用する場所に応じた細分化など、瓦は歴史とともにバリエーションを広げてきました。
瓦は粘土を成形し、高温で焼き上げて製造されます。その焼成方法の違いにより、次のジャンルにに分けられます。
「釉薬瓦」あるいは「陶器瓦」と呼ばれる瓦は、その名の通り、瓦の表面に釉薬をかけて多彩なカラーを生み出します。
「いぶし瓦」は、焼成の最終段階で瓦をいぶし、表面に炭素を主成分とする皮膜を作ることからこの名があります。
「無釉薬瓦」は釉薬を使わずに焼き上げるもので、生地に粘土以外の物質をまぜる練り込み方法や、自然な変化を追求した窯変瓦などがあります。
また、塩を使って表面を独特の赤褐色に焼き上げる「塩焼瓦」もあります。
製法
形
種類
色
地瓦
役瓦
釉薬瓦
(陶器瓦)
いぶし瓦
無釉薬瓦
塩焼瓦
本葺き
平瓦
丸瓦
軒瓦
袖瓦
角瓦
冠瓦
冠止瓦
巴瓦
鬼瓦
等
釉薬瓦は各色あります。
いぶし瓦は銀色。
塩焼き瓦は赤褐色
J形
桟瓦
F形
桟瓦
S形
桟瓦
スパニッシュ
上丸
下丸
瓦は、その形状の違いでもさまざまに呼ばれます。
「本葺き」は、瓦の伝統的な形で受けとなる平瓦と、上にかぶせる丸瓦がセットとなっており、現代でも寺社建築などに用いられています。
「J形」は本葺きの平瓦と丸瓦を1枚の瓦に結合したデザインで、引掛桟瓦葺きで施工されます。
「F形」は明治に輸入されたフレンチ瓦がそのルーツといわれ、平らな板状デザインが特色です。そのため、F形のFは、現代ではフレンチというよりフラットの意味で用いられています。
「S形」はF形と同じように明治以降に輸入された「スパニッシュ」から発展した形です。「スパニッシュ」は上丸瓦と下丸瓦の2ピースなのに対し、「S形」は2つを一体成型したデザインとなっています。
瓦には屋根の平面に使われる地葺き用の「地瓦」と、棟や袖に使われる「役瓦」があります。とくに、「本葺き形」「J形」など伝統を受け継ぐ「和瓦」には鬼瓦をはじめたくさんの意匠を凝らした役瓦があり、屋根の表情をひきたてています。
瓦のカラーは、製法の項で説明したように、釉薬の違いや釉薬の有無など、さまざまなバリエーションがあります。 昔ながらの銀色と呼ばれる「いぶし瓦」、カラフルな色調を揃えた「釉薬瓦」、アースカラーを追及した「無釉瓦」などのほか、設計士との連携によるオリジナルカラーの開発も進んでいます。
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