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地震の時の瓦屋根の被害は、棟の部分に集中すると聞きましたが、何か対策は立てているのですか。わが家は100年以上も経つ古い民家で、棟には丸い形の瓦が高くつまれています。
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瓦メーカーはもちろんですが、屋根工事業界の地震に対する最大の関心は、どうすれば瓦の落下やズレを防止できるかにあります。台風の時も同じですが、瓦の被害とは、屋根から瓦がはがれて落下したりズレたりすることです。これらを防ぐには、屋根本体に、いかにしっかり結びつけるかにかかっています。古い工法では、葺き土の上に瓦を並べただけというものもあり、これだと、強風による引っ張り力や地震の衝撃でズレたり落下したりで被害が多く出ます。
ご質問の棟の件ですが、地震のタテ揺れやヨコ揺れの強い力は、建物全体を伝って、最終的に棟に集中します。つまり、棟の部分が最大の力を受けるため、被害もそこに集中します。これはすでに、本組合も参加して行っている実物大の地震実験でも確かめられています。
棟に集中する地震の力は、棟瓦をねじ曲げたり、ズラしたりする被害を与えます。棟瓦もまたふつうの屋根瓦と同様、あるいはそれ以上に、建物本体と強く結びつけられていなければなりません。したがって葺き土の粘着力をたよりに、重ね積みしただけの古い工法では、地震の被害を防ぐことができません。
現在、瓦屋根業界では、台風や強風時にも飛ばない瓦屋根、阪神大震災クラスの大きな揺れにも決して落ちることのない強い瓦屋根という厳しい基準「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(ガイドライン工法)[■HP]が確立されています。「災害に強い家づくり」を行うもので、台風や地震の時でも安心してお過ごしいただけるようになりました。
100年以上経つ貴重な瓦屋根の民家だと思われます。瓦に精通した専門家、一般社団法人全日本瓦工事業連盟(全瓦連)[■HP]に加盟している工事店に相談されるといいでしょう。全瓦連は、全国で約2,800の専門業者が加盟している内閣府所管の一般社団法人で信頼できる全国組織です。都道府県ごとに組合事務所(全国47団体)[■HP]があり、公式サイトではお近くの加盟店を探すこともできますので、電話などで直接お尋ねください。
また、耐震対策については、一般社団法人日本建築防災協会の公式サイト[■HP]に、自治体や建築技術者への相談窓口や、都道府県の耐震改修促進計画・支援制度など詳しく掲載されています。
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