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さ〜そ


◆桟瓦(さん がわら)
和型瓦や和瓦と呼ばれている日本独特の瓦で、左側に小さいうねりがあることが、ちょうど障子の桟に似ていることから、桟瓦と呼ばれている。瓦がわが国に伝来してから約1000年もの間、瓦葺きは寺社建築や城郭建築に限られてきた。
これは平瓦と丸瓦による本瓦葺きは、重量がありそれを支える建築にもそれなりの配慮が求められた。そのため瓦葺きができる建物には制約が出てくる。こうした問題を解決するために出てきたのが、平瓦と丸瓦を一体化させるといったアイデアである。1600年代に登場したのがローソク桟瓦と呼ばれるものである。初期のローソク桟瓦は、京都の大徳寺の東司(便所)や大光寺正受院表門などに遺されている。
桟瓦を発明したのは西村半兵衛で、三井寺の瓦工として10年の歳月を費やして作りだしたと言われている。しかし彼が発明したのが現在見られるような桟瓦であったのか、ローソク桟瓦であったかは定かではない。また彼は軽量の瓦を開発するため江戸に火除け瓦を見に行き、これをヒントに桟瓦を開発したとも言われている。当時この桟瓦を関東では江戸葺瓦、関西では簡略瓦と呼ばれていた。
ローソク桟瓦は上下で重ね合わせるため、平瓦に付けられた丸瓦部分は下が大きく上を小さくなっている。ローソク桟瓦と呼ばれるのもこの上下の大きさの違う円形の丸瓦部分からきている。

◆三州瓦(さんしゅう がわら)
愛知県西三河産の粘土瓦で日本最大の生産量を誇る。全国の瓦出荷量の約70%を占めている。

◆塩焼瓦(しおやき がわら)
焼成の最終段階で、食塩を投入して焼いた瓦で、吸水率が低く凍害に強く変色性も少ない。その色から赤瓦とも呼ばれている。
1100〜1200℃で10時間程行われる中だきの後、たき口から食塩と燃料を交互に投入する。投入される食塩は1万枚の瓦に対して160kgほどである。
数回に分けて食塩を投入しさらに練らしだきを3時間程続ける。冷却は徐々に行い、火入れから9日目頃に窯だしを行うのが理想的であるとされている。
投入された食塩は熱で分解されガス状となりさらに水蒸気と反応し、酸化ナトリウムと塩化水素に分解される。さらに酸化ナトリウムが粘土中の珪酸とアルミナと化合し、珪酸ナトリウムとなり、これが赤褐色のガラス状の皮膜となる。
この化学反応プロセスは、複雑でその制御は難しいことなどから、塩焼瓦の生産量は減少している。

◆ジェラール瓦
明治初年にフランス人アルフレッド・ジェラールが日本で製造したフランス型の瓦で赤瓦といぶし瓦があった。彼は明治政府の雇ったお抱え外国人のひとりであったが、洋風建築に使う瓦の需要を見越して横浜でフランス型瓦の製造を始めた。明治6年(1872年)頃横浜元町にわが国ではじめての土練機や製瓦機を使った近代設備を持った製瓦工場を作った。わが国の一般の瓦業者が近代設備を導入するのは、ジェラールに遅れること50年経ってからである。

◆地瓦(じがわら)
軒瓦、袖瓦など特殊な部分を葺く瓦を役瓦、一般の部分を葺く瓦を地瓦という。本葺き形では平瓦と丸瓦が、和形では桟瓦が地瓦で、一つの建物で使用する数も多く、形状も役瓦に比べシンプルで量産しやすい。

◆地瓦(じがわら)
その土地で産する瓦をいう。その地域の気候風土に合わせて、伝統的にさまざまな工夫がなされてきている。

◆敷瓦(しきがわら)
床や地面に敷く瓦で磚(せん)、甎(せん)ともいう。中国はじめ東洋では広く用いられており、表面に模様があるものもある。わが国では寺院だけでなく平城京、平安京の宮殿でも使われた。建物と平行に敷いたものを布敷(ぬのじき)、45°の方向に敷いたものを四半敷(しはんじき)と呼ぶ。

◆シーサー
沖縄の伝統的な赤瓦屋根に載せられる魔除けの獅子で、シーサーが火を食べるので火除けとして使われている。獅子瓦とも呼ばれているが、鬼瓦と違って棟ではなく、屋根の上に置かれる。シーサーは新築のお祝いに瓦職人が一つ一つ作ったと言われている。
シーサーは鬼瓦のように粘土から直接作る場合と、割れた瓦と漆喰とで作るものとがある。

◆獅子口(しし ぐち)
棟の両端に使う棟飾りで鬼瓦の一種であるが、とくに御所の重要な建物使にわれていることから、御所鬼とも呼ばれている。
将棋の駒のように五角形をした箱の上に、経の巻と呼ばれる3本または5本の丸型の巴瓦を載せたものである。
箱の胴部分には綾筋(あやすじ)と呼ばれる山形の平行線が付けられている。さらにその下に経の巻の巴文が付けられている。

◆鴟尾(しび)
棟飾りの一つで棟の両端にちょうど沓(中国から伝わった靴)を立てたような形をしている。この形から沓形(くつがた)とも呼ばれている。もともとは魚あるいは鳥からきたものと言われている。
悪魔除けや火除けの目的から付けられたもので、飛鳥時代に大陸から伝わり、大規模な建築の大棟で使われた。必ずしも瓦だけでなく銅や石でも作られた。
現存する最古の瓦の鴟尾は、唐招提寺金堂の西側のもので、奈良時代の創建当時のものである。
棟飾りとしては最古の形式のもので、これが鬼瓦や鯱などに発展していった。

◆鯱(しゃちほこ)
棟飾り瓦の一つで魚の形をしている。頭は竜のようで、背上に鋭い刺を持つ想像的海魚で、海にすむことから防火の効き目があるという。しゃちとも言い、鴟尾が発展したものである。魚形の棟飾りは中国では宋時代にあらわれるが、日本では室町時代から登場している。インドのマカラの影響があったものと言われている。
初期には仏閣で使われていたが、桃山時代からは城の天守閣や櫓で多用されるようになった。
名古屋城の金の鯱が有名で、これは高さ258cm、重さ1215kg。使われている18金の重さは43.4kgとなっている。

◆蛇の目軒瓦(じゃのめのきがわら)
万十軒瓦(まんじゅうのきがわら)の一種で、小巴の形が蛇の目の形をしている。丸い巴の周囲を輪のように残し内側を彫り込んでいる。蛇の目は環状の文様の一つで、正式には輪貫(わぬき)と呼ばれる。

◆素地(しらじ)
荒地(あらじ)を瓦の形に成型し、乾燥させたもの。瓦の寸法精度を確保しようとすると、乾燥の方法はとくに重要である。
厚い部分は乾燥速度が遅く、乾燥しやすい薄い部分は引っ張られ開きかげんになったり亀裂が生じたりする。そのため成型の際に、素地に予想されるねじれの反対のタメをあらかじめいれておき、乾燥してちょうど予定の形状になるようにしておく必要がある。タメのいれ方は使う土の材質によって異なる。
とくに平面性と寸法精度を必要とする敷瓦の場合、素地をどう精度よく作るかは問題で、300mm角以上になると難しく価格も極めて高くなる。

◆地割(じわり)
瓦の割り付けを地割という。一般には桁行き方向の割り方であるが、桟瓦の場合、流れ方向の瓦の割り付けも地割と呼ぶ。
つぎに桟瓦の場合の地割の基本的なテクニックを述べることにする。
(1)屋根の形に応じてブロックに分け、最も難しい部分から始める。
(2)流れに向かって左側から始める。
(3)標準きき幅をもとに割り付けるが当然端数が出る。
(4)端数の処理は、両袖瓦の出で調整する方法、桟瓦の葺き寸法を調整する方法、両者を併用する方法などがある。

◆真空土練機(しんくう どれんき)
土練は原土(げんど)に適当な水を加えて練ることで、機械化される以前は足で練っていた。
真空土練機では足で練ったと同様な効果を出すよう、軸の羽の回転と合わせ縦横の回転も併用して、さらにラミネーション(一方回転にともなううねり波層)の解消のため、二重ドラムの間に粘土を通して送り出すような機構になっている。
真空土練機はその内部を真空にして、粘土中に空気を含めないようにしている。

◆すがもり
屋根に雪が積もると、昼間一部が融けて軒先に溜る。この軒先の水分が凍ると氷堤となり、これが繰り返されると、軒先部分から屋根内部の屋地まで浸み込み、雨漏りの原因となる。軒の先端部を工夫してつららができにくくする。

◆筋葺(すじぶき)
瓦の葺き方は大きくは土葺(つちふき)と引掛葺き(ひっかけぶき)とに分けられるが、筋葺は、土葺のひとつで、瓦の谷の部分に葺土を筋状に置いて葺く方法である。

◆スパニッシュ瓦
下丸瓦と上丸瓦の組合せで葺かれ、軒先でも巴瓦をほとんど使わず、また棟瓦も高く積まず雁振(がんぶり)で仕上げる。
わが国には大正の終わり頃に輸入されるようになった。このスパニッシュ瓦の流行に刺激されて、スパニッシュ瓦の下丸瓦と上丸瓦を一体化させたS型瓦が、大正時代末期に愛知県三州で開発された。

◆素丸(すまる)
本葺型の瓦は平瓦と丸瓦との組合せで葺かれる。和型の袖瓦と桟瓦をつなぐのに使う瓦は、紐丸瓦と呼ばれている。この紐丸瓦と区別するために素丸ともいう。しかし一般に丸瓦というと素丸を指している。
素丸は胴と玉縁(たまぶち)とから構成される。玉縁側が水上に置かれ、この部分が胴の部分を重ねて葺く。

◆隅瓦(すみがわら)
寄棟や入母屋の隅の軒先に使われる瓦を隅瓦と呼んでいる。いくつかの部分に分けたものを切隅(きりすみ)、一体になった瓦を廻隅(まわりすみ)という。

◆隅鬼(すみおに)
本瓦葺の屋根の隅の部分に付けられる鬼瓦。隅鬼の上に置かれるのが二の鬼(にのおに)である。隅先に隅鬼が置かれ、入母屋・寄棟では隅棟全長の1/4(隅棟の長さによって異なる。)の位置に二の鬼が置かれる。
隅鬼の大きさは建物によって異なるが、八掛け法では大棟鬼の大きさを10とすると隅鬼の大きさは6.4といった比率になっている。

◆隅棟(すみむね)
入母屋・寄棟での隅部分の棟。和型の場合は、紐丸瓦や紐伏間などで処理される。本瓦葺きの場合は、稚児棟と二の棟から構成され、先の部分が稚児棟で、その上部にくるのが二の棟である。二の棟では捨熨斗(すてのし)が何枚も重ねられ、より棟反りを出すよう工夫される。

◆スレート
屋根を葺く材料とする石版。ノンアスベストの天然粘土石が良い。

◆製瓦機(せいがき)
荒地(あらじ)を成型する機械で、成型機とも呼ばれている。

◆成型機(せいけいき)
土練機、荒地出し機から押し出された荒地(あらじ)を成型する機械で、手動式成型機、フリクション式成型機、自動プレス成型機などがある。桟瓦など量産できるものでは、真空土練機、荒地搬送機のつながった自動プレス成型機で成型される。
またフリクション式成型機では金型に荒地を入れ、荒地を圧縮して成型する。役物など量産できないものに使われている。

◆石州瓦(せきしゅうがわら)
島根県江津市中心とする産地の瓦で、高温焼成の釉薬瓦が特徴である。粘土瓦全体では全国の14.3%の出荷高を占めてる。釉薬瓦・塩焼瓦では20.3%のシェアを持っている。石州ではいぶし瓦はほとんど製造されていない。

◆磚(せん)
床や地面に敷く瓦で敷瓦(しきがわら)ともいう。中国はじめ東洋では広く用いられており、表面に模様があるものもある。わが国では寺院だけでなく平城京、平安京の宮殿でも使われた。建物と平行に敷いたものを布敷(ぬのじき)、45°の方向に敷いたものを四半敷(しはんじき)と呼ぶ。

◆袖瓦(そで がわら)
切妻屋根の破風部分に用いられる瓦で、この部分を妻と呼ぶ地域では妻瓦、けらばと呼ぶ地域ではけらば瓦とも呼んでいる。
袖の垂れた部分を袖垂れ(そでたれ)と呼ぶが、この寸法が大きいものを大袖(だいそで)、小さいものを小袖(しょうそで)と呼ぶ。
また袖瓦には左右勝手があり、屋根の平側から見て左側に袖が付いているものを左袖、右のものを右袖と呼ぶ。さらにやや形が異なったものとして中付袖瓦、丸覆袖瓦、車袖瓦などがある。

◆袖角瓦(そでかど がわら)
軒と破風と交わる隅の瓦で、軒瓦と袖瓦とを組み合わせたもの。角瓦(かどかわら)とも呼ばれる。
袖角瓦は袖瓦と違って、樋が当たらないようにするために袖垂れの先端に切込みがあるのが特徴である。
軒瓦と袖瓦の組合せであるので、一文字袖角瓦、中付一文字袖角瓦、、巴唐草袖角瓦、万十袖角瓦などその種類はきわめて多くなってしまう。

◆反り屋根(そりやね)
弓状に流れの中央部分がたるんでいる屋根で、神社、寺、城郭などで使われる。照り屋根(そりやね)とも呼ぶ。逆に中央部が膨らんだものは起り屋根(むくりやね)と呼ばれる。

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